大手人材紹介企業D社より、オフィスリース契約の満期が迫っている為、リースを延長すべきか、移転すべきかというご相談を頂きました。様々な条件を一緒に検討させて頂き移転することに。弊社では移転プロジェクト全般(物件調査、設計、工事・プロジェクト全体管理、家具)をお引き受けしました。
Consultation
コンサルテーション
リース延長または移転の希望時期、エリア、ご予算、将来の人員計画など様々な要素をヒアリングします。
リース延長を行うか移転するかは1年以上前からの検討が必要です。移転の場合は新規物件が決定してから契約交渉、設計、工事などで約6ヶ月は必要です。既存リース延長の場合も、ギリギリのタイミングで交渉を始めると家主が高い条件をだしてくる可能性がありますので、早めに検討しましょう。
Site survey and space planning
物件調査とスペースプランニング
弊社が不動産ブローカーと物件を視察しながら、候補物件をしぼり現地調査を行います。同時に既存スペースの調査(再利用する家具のサイズ、各部屋のサイズ、デスクの希望サイズなど)も念入りに行い、新たなスペースでの要望事項、既存スペースから改善したい部分などを把握した上で、テストレイアウト図を作成します。
現状を分析し、新事務所では正確にどれ位の面積が必要となるかを先に割出してから、不動産サーチを開始すると無駄がありません。また、同じ面積でも柱の位置、スペースの形状により、同じ数のデスクが入らない事もあるので、テストレイアウトは必ず行います。
Lease negotiation
リース契約交渉
まずは不動産ブローカーがリースの基本条件を詰め、不動産弁護士の交渉が開始されます。リース条件が固まってから、正式にリース締結までに約1〜1.5ヶ月はかかりますので、その間に図面作業は進めておきます。
オフィスリース契約は大きく2つに契約内容が分かれます。(1)リース契約された時点からフリーレント期間を使い、設計・許可申請・工事まで全てテナント側手配で行う契約スタイル(この場合は一部工事補助が工事終了後に支給されます)と、(2)テナント側で基本設計図を準備すれば、申請図作成、工事許可取得、工事まで家主側で行ってくれる“Landlord’s Pre-built”の契約スタイルです。この場合の工事内容は基本的なものに限定されますので、時間外空調の設置など、特別なリクエストはテナントが負担します。最近は後者の契約スタイルが多いようですが、マーケットの状況、スペースの面積などにより異なりますので、メリットデメリット含め詳しくご説明します。
Design work
設計作業
同社のケースは、家主が工事する”Landlord’s Pre-Built”のスタイルで契約を進める事になりました。弊社はこの場合、テナントが要望する基本の設計図一式を準備し、家主へ提出し、工事終了までのプロジェクト管理業務を担います。早急に図面をまとめる為、ここでは密に打ち合わせを行います。
家主側の基本工事内容を把握できていれば、図面作成時にどこまでがビルスタンダード工事か、テナント負担分がどれ位になりそうか試算可能です。工事以外の費用である家具購入費、電話・IT回線工事費、セキュリティ、引越費などのプロジェクト概算もご提案します。
Confirmation of construction schedule and budget
工事スケジュールと予算の確認
家主側設計チームとのミーティング、スケジュール確認、工事費見積書の確認・精査図面一式を提出した後、詳細説明の打合せを行います。工事費見積書が出されたら、内容に間違いがないか確認し、予算オーバーである場合は設計変更などを行いながら予算内に収めるよう交渉します。
このケースでは家主が工事業者を雇いますので、見積額の単価についてはコントロール不可能です。ただし、こちらで供給した図面通りに見積もられているかどうかの精査は可能であり、もし予算を大幅に超えた場合には、設計変更を工夫しながら、家主側と協力して金額を調整していきます。最初の現場ミーティングでは、家主側の関係者が集まりますが、この段階で初めて家主側設計期間・工事期間などが明かされ、大体の引越日目安が立ちます。
Furniture procurement
家具見積もり・発注
オフィス家具の概算予算を決めたら、パーツ毎に色や素材を提案し、幾つかのチョイスの中からお好きなものを選んでいただきます。カーペットや壁のカラーとのバランスを考慮しつつ、同社はコーポレートカラーである赤をアクセントにおいた配色となりました。弊社ではデザイナー価格での割引がありますので、家具購入・据付まで一括してお任せ頂けます。
日本の家具のように、すでに出来上がっているものを購入するのではなく、パーツ毎にサイズや色・素材を決定し、セミカスタム生産となります。よって、独自の家具を選べる反面、最低2ヶ月の納期がかかりますので、早めの準備が必要です。
Construction
家主側工事スタート
工事着工の際には、現場にてキックオフミーティングを行います。ここではお客様はもちろん、IT回線業者、家具業者なども一同に集まり、全体のスケジュールを把握します。ここから工事終了まで毎週会議が行われますので、都度現場レポートを提出します。
毎週の会議には、プロジェクトマネージャーとして必ず参加し、工事の進捗を把握します。それにより、各関連業者へ作業開始のタイミングを指示し、搬入物がある場合はエレベータ予約や保険提出などをビル管理会社へ手続きし日程調整を行います。
Construction completion and furniture installation
引渡し確認、家具搬入・設置
工事終了が近づくと、いつ家具を搬入するか、いつ引渡し日とするか、など家主側のプロジェクト責任者と最終調整し、お客様へ報告します。引渡日の工事点検にはお客様の代表者にも参加頂き、不具合箇所をリストアップします。
家具を搬入する前に引渡しを行いますが、この段階では工事が完了していない点がいくつか見受けられるケースが多く、引越日まで最後の調整が必須です。